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健康食品の薬機法ライティングとおさえるべき表現方法について

「健康食品」を広告する際に意識したいのが薬機法です。厳密にいえば「健康食品」は薬機法の対象外ですが、表現次第では法律違反とみなされてしまいます。

しかし、「具体的にどんな表現がNGなのかわからない」「どのように言い換えたらよいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

本記事では「健康食品」のライティングに関する薬機法やNG表現、効果的な言い換え方を解説します。健康食品のライティング方法を知りたい方、表現方法をマスターしたい方はぜひ参考にしてください。

健康食品は薬機法の規制対象外

薬機法の規制対象は「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療機器」「再生医療機器」の5種類です。健康食品は「食品」に分類されますので、薬機法の規制対象外になります。しかし対象外だからといって、自由に書いてよいわけではありません。

「薬機法」の第68条には、「承認前の医薬品等の広告の禁止」という項目があります。

何人も、第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の二十三第一項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第十四条第一項、第十九条の二第一項、第二十三条の二の五第一項、第二十三の二の十七第一項、第二十三条の二十五第一項若しくは第二十三条の三十七第一項の承認又は第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

薬機法第68条/承認前の医薬品等の広告の禁止より引用

このように法律では「薬機法で医薬品などとして認可されていない商品は、効能・効果を表現してはいけない」と定められています。「健康商品」はあくまで「食品」に分類されるため、「医薬品」のように効果・効能をうたうことはできません。

たとえば「このサプリメントをとれば、視力改善に期待できます」という表現の場合、「視力改善」が効果表現に該当するので法律違反とみなされます。「健康食品」は薬機法の規制対象5項目に含まれませんが、規制がかかることを覚えておきましょう。

健康食品のライティングをする際のNG事項

「健康食品」のライティングをする場合、意識してほしいのが「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」です。この中の「医薬品の範囲に関する基準」では「健康食品」を広告する際のNG事項として、以下の項目を挙げています。

(一) 疾病の治療又は予防を目的とする効能効果

(例) 糖尿病、高血圧、動脈硬化の人に、胃・十二指腸潰瘍の予防、肝障害・

腎障害をなおす、ガンがよくなる、眼病の人のために、便秘がなおる等

(二) 身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果

ただし、栄養補給、健康維持等に関する表現はこの限りでない。

(例) 疲労回復、強精(強性)強壮、体力増強、食欲増進、老化防止、勉学能

力を高める、回春、若返り、精力をつける、新陳代謝を盛んにする、内分泌

機能を盛んにする、解毒機能を高める、心臓の働きを高める、血液を浄化す

る、病気に対する自然治癒能力が増す、胃腸の消化吸収を増す、健胃整腸、

病中・病後に、成長促進等

(三) 医薬品的な効能効果の暗示

(a) 名称又はキャッチフレーズよりみて暗示するもの

(例) 延命○○、○○の精(不死源)、○○の精(不老源)、薬○○、不老長

寿、百寿の精、漢方秘法、皇漢処方、和漢伝方等

(b) 含有成分の表示及び説明よりみて暗示するもの

(例) 体質改善、健胃整腸で知られる○○○○を原料とし、これに有用成分

を添加、相乗効果をもつ等

(c) 製法の説明よりみて暗示するもの

(例) 本邦の深山高原に自生する植物○○○○を主剤に、△△△、×××等の薬

草を独特の製造法(製法特許出願)によって調製したものである。等

(d) 起源、由来等の説明よりみて暗示するもの

(例) ○○○という古い自然科学書をみると胃を開き、欝(うつ)を散じ、消

化を助け、虫を殺し、痰なども無くなるとある。こうした経験が昔から伝

えられたが故に食膳に必ず備えられたものである。等

(e) 新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、経験談などを引用又

は掲載することにより暗示するもの

(例) 医学博士○○○○の談

「昔から赤飯に○○○をかけて食べると癌にかからぬといわれている。

………癌細胞の脂質代謝異常ひいては糖質、蛋白代謝異常と○○○が結

びつきはしないかと考えられる。」等

医薬品の範囲に関する基準より引用

つまり「健康食品では、病気を治したり予防したりできると表現してはいけない」ということです。この考え方をおさえておきましょう。

健康食品のNG表現と薬機法で許される表現について

健康食品ライティングで注意すべきポイントやNG表現について解説します。表現の言い換えにも言及していますので、ぜひ参考にしてください。

「治る」「予防する」は使用NG

「治る」や「予防する」の表現が許されるのは「医薬品」と「医療機器」のみです。「健康食品」での使用は禁じられています。

特定の疾患・症状を改善する効果もうたえません。「検査結果(肝臓の数値、血糖値、最高血圧など)が改善する」といった表現も法律違反にあたります。 「ユーザーのレビュー」と称して「肝機能が改善しました!」などと表現することもNGですので、注意しましょう。

また、健康食品の一つである「ダイエット食品」では「燃焼する」という表現がよく用いられますが、これも法律違反です。「脂肪を燃焼する」は、「(二) 身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果(医薬品の範囲に関する基準)」に抵触するので、別の表現を使うようにしてください。

このように「健康食品」のライティングでは、「治る」「予防する」「検査値が改善する」などは使用できません。表現内に「疾患名」「臓器名」「身体部位」などを挿れると、規制に抵触する可能性が高まりますので、この点もご注意ください。

NG表現とされる「治る」「予防する」は、「〇〇な方におすすめ」「〇〇を補充できる」などに言い換えられます。たとえば「肝機能を改善」の表現はNGですが、「ついお酒を飲み過ぎてしまう方へ」であればOKです。

ほかにも「ビタミンCの効果でがんを予防できる」という文を「不足しがちなビタミンCを効率的に補充できる」に言い換えたり、「糖尿病の方へ」の疾患名を伏せて「糖分が多めの食事のときにはこれ!」などと表現を変えたりすれば問題なく使用できます。

原料でも、効能効果をうたってはいけない

「この健康食品をとれば病気が治る!」という直接的な表現を避けつつ、商品の原料成分で効能効果をアピールする記事を時々見かけます。たとえば「ふんだんに配合した原料Aは、コレステロール値を下げる効果で知られています」などの文章です。

しかし、この表現は法律違反にあたります。原料成分で「治療」や「予防」を暗示した場合「(三) 医薬品的な効能効果の暗示(医薬品の範囲に関する基準)」に抵触したと判断されるので注意しましょう。

同様の理由で、以下の2点で表現する場合も効果効能はうたえませんので注意してください。

  • 起源から効果効能を匂わせるもの(中国4,000年の歴史から生み出された~)
  • 製法から効能効果を匂わせるもの(特許をとった冷凍技術で~)

表現方法は、「治る」「予防する」の項でお伝えした内容と同じです。

例としてあげた「ふんだんに配合した原料Aは、コレステロール値を下げる効果で知られています」の文章は、効果効能を伝えず「脂肪をとりすぎる現代人におすすめの成分です」と書きかえれば問題なく使用できます。

用法用量の指定も禁止

「健康食品」は、食品であって薬ではありません。そのため、医薬品のように「用法用量」を指定することは禁じられています。

「用法用量」は、以下の4つの項目から成っています。これらを明確に指定しないようにしましょう。

  1. タイミング 例)毎食後
  2. 量     例)1回50g
  3. 方法    例)お湯に溶いて
  4. 対象    例)60歳以上の男性

まずは3つのポイントをおさえてライティングに取り組もう

健康食品のライティングに関する法律や表現方法について解説しました。

まずは以下の3つのポイントを守るよう意識しながらライティングに取り組んでいただければと思います。

  1. 臓器名・身体部位を使わない(肝臓によい、眼を保護する、膝関節が痛くない)
  2. 疾患名・症状を使わない(高血圧に効く、腰の痛みに最適、発熱時におすすめ)
  3. 効能効果をうたわない(~を予防する、~が治る、~の数値が改善する)

健康食品のライティングは奥が深いため、これらですべてを網羅できるわけではありません。しかし、規制を意識しすぎると書きすすめるのがむずかしくなります。最初のうちは3つのポイントをおさえつつ、細かなところは実際に書きながら学ぶとよいでしょう。

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